諦めを口にした日
此の腕の在り処
此の足の居場所
狂う前の怒り
失望
圧力
どうして負けそうになる?
自分に勝っていくしかないのに

わたしはわたしを
相変わらず貪り喰う
狂気に満ちた眼で
もう届かない声を放り投げて

優しさも勇気も
忘れてしまったの

ただの狂ったおとなになってしまった
こんなの
赦されるわけが
ない
【2005/07/24 17:14 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
昨日見た夢のこと
頭が痛い。
君は呑み過ぎた酒の所為にした。
朝日が眩しい。短時間ずつしか眠れていない。其の横で、すやすやと ついさっき眠りに入った君が憎らしく思えた。俺を置いて、勝手に寝やがって、と幼い思いに支配されていた。そんな自分が、只 虚しかった。
取り敢えず横になり、其の生温い肩を撫でた。長い栗色の髪。細くて柔らかい其れにキスをした。どうにかして孤独を紛らわせたかっただけだ。そんな自分が、只 憎かった。
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【2005/07/17 09:39 】 | 掌編 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
幼過ぎる脳
態とらしい立眩みに
自分でも嘔吐すればいい
此の身体を引き裂いたのは誰だ

目映い光は
欠けるような眼で此方を見ている
溢れるほどに
其処に在るのに

嘘だろう?
云ってくれよ
全て違う未来だったって
全て間違ってる未来だったって

叶う筈の無い答えに
一々反応していても身が持たない
そう叫ぶ脳は
暗号化した軌跡を
どう辿ったかさえ忘れているのだ

云ってくれよ
嘘だったって
全部間違いだったって
聞こえてなかったんだって
理解できていなかったんだって
だから解らなかったんだよって
云ってくれよ
全部知ったような其の眼が嫌いなんだ
きっと俺は
手に負えない よちよち歩きの
ガキにしか見えないのだろう?
きっと其の眼は
そう思っているのだろう?
其の眼が嫌いなんだ
そうもがいている姿さえ
そう感じてしまうのだろう?
そう与えてしまうのだろう?


云ってくれよ
全て間違った世界だったって
全て終わったんだって
もう眼を瞑らなくてもいいって
云ってくれよ
起こしてくれよ
眼を覚まさせてくれよ
俺を
此処から導いてくれよ
【2005/07/17 08:54 】 | 言葉 | コメント(2) | トラックバック(0) | page top↑
めろめろ
そんな瞳で見つめないでv

可愛い顔してすごいこといいます


どんな まつり?

しますさ

そんな遠くから言わないで・・

ふわぁ・・

おしまい
【2005/07/14 04:55 】 | マフミィ | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
water
其の声を潰して
泣き喚いてた
からからに成った身体を
誰も救ってはくれなかった
救うのは誰でもない
自分だから

凍えた身体を
そっとあたためようと
震えた両手で腕を擦った
誰も助けてはくれなかった
助けるのは他人ではない
自分だから

自分の中の出来事を
誰かに消費してもらうなんて
なんて滑稽なんだろう
助けを求めて
其れを拒まれて
なんて滑稽なんだろう
猛毒に塗れたわたしを
放って置けないなんて
よく云うわ
何も出来ないくせに
よく云えるわね

止まない痙攣を押し殺す為に
皮膚を切った
誰も皆 やめろと止めた
そういうときだけ
心配するのね
あからさまな偽善

どんなに想われても
どんなに愛されても
自分がこんな気持ちじゃ
報われたりなんかしない
解ってる
考え方を変えろと

それでも妄想は酷くなっていく
益々わたしは閉じ篭る
そうして孤独に成っていく
当たり前の過去を残して
【2005/07/14 04:47 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
ひめごと
そのあたま
ひきちぎって

たべた

あんまり
おいしくなかった

あなたの
かおは
もうたべた

みみならやいて
もうたべた

こりこりしてて
おいしかった

わらってた
だれかが
わらってた
それみて
わたしも
わらってた

ひふをきりさき
やいてたべよう
そのまま
おさしみ
いいかんじ

ちのにおい
いっぱい
それでも
かまわぬ
たべてしまおう

あなたのすべてを
わたしにいれよう


あしをもいでは
やきにくしよう
あしをなめては
あいしてみよう

もう めもみみもあたまもない あなた
いとしいわ
いとしいわ

だれかが
おおわらいしてた
だからわたしも
わらってみた

なみだをながして
わらってみせた
【2005/07/14 04:32 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
黒い月
眠ってる、振り。
何にも感じない、振り。
触ってもらって初めて気付く
わたしは其れを
求めていた

優しさに気付き
其れをせがんだ
もっと撫でて
もっと擦って
それでも足りぬと
此の舌は云ってみせる

もっと撫でて
もっと愛して
そうして闇の中へ
一緒に溶けてしまいましょう

貴方が生まれた
あの頃の
思い出深い
砂漠の日
切り裂く港は
甘い声で鳴く

彷徨い疲れた足は
放って置きましょう
今は只
柔らかさに触れていましょう
そうして独り
闇の中へと溶けてしまいましょう
【2005/07/14 04:26 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
ねんねこねんねこ
きらきら
ひかるよ
おつきさま

あふれて
しぬよ
おほしさま

まばたき
ひとつで
ここに
いること
わすれるよ
【2005/07/14 04:22 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
眩暈の幻覚
其の足元が狂う前に
意識を落としてしまえばいい
目映い光に目を奪われる前に
脳を破壊してしまえばいい

逆らうことで何が生まれた?
視界はいつも
暴力と自分への攻撃に満ちていた
微笑みも嘲笑にしか思えず
自分を責めては罵った
わたしはわたしの上に座って
顔を、胸を、全てを切り裂く
醜さを強調し
憎しみを発散する為に
そうして築かれた脳の構築は
また崩れ去って
足元を
狂わせる

其の足枷が食い込んで蛆が湧く前に
切り落としてしまえばいい
死骸と成ったわたしは やがて骨になり
醜さを強調する
此の彩でさえ
目映い光に潰されそうに
彷徨っている

脳の中の胸の中の
絶望や苦しみを吐いて
何になる?
報われる?
救われる?
楽に成れるの?
雪は止まない
隠すために止まない
止められない
溢れる脳を
止められない

其の唇が爛れて膿でいっぱいになる前に
脳を殺してしまえばいい

わたしなど
醜さの塊でしか無い
【2005/07/14 04:21 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
只の足掻き
猛毒の在り処が自分の奥にあることがわかった
此の奇声をどう抑制したらいい
わたしは又迷っている
溢れる狂気を止められないでいる
此の腕を切り裂いて何になろう?
しかし気が楽に成るのは確かだった
憎らしい程
確かな感情だった

わたしは全てに手を振った
今のわたしや
感情
そしてわたしの中の全て
手を振った
そして
さよならをした
するんだ
出来るんだ
言い聞かせてた

日溜まりの感染に
気付き始めてる
どうにかしてとめなくちゃ
どうにかして見ない振りしなくちゃ
そうすれば絶望は此方に気付かずに済む
ああ
目を潰さなくちゃ
腕を切り落とさなくちゃ
足も舌も全部殺さなくちゃ
ああ
どうしてばらばらになった死体を見て
わたしを見て
それでも報われないのだろう
手放した血だらけのナイフも
何の意味も持たなかった
誰もわたしに触れることなんか出来ない
誰もわたしが触れることなんか出来ない
其の指先を幾ら研いでも
届かない
ああ
何もかも捨てなくちゃ
全ての感情を
全部知らないことにしなくちゃ
そうじゃなきゃ
潰れてしまうから
でも此の脳は気付き始めてる
速いスピードで
其れは加速していく
増殖していく
手がつけられない程に成長していく
ああ
何もかも捨てなくちゃ
自分の中の意思を殺さなくちゃ
切り裂いて
内臓を取り出して
呼吸を止めて
ああ
心臓を踏み潰して
それでも此の脳は気付いてる
そんなことしたって無駄だと
又憂鬱の宇宙がわたしを包むのだと
【2005/07/13 12:18 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
白百合の肌
俺はバスを待っていた。
古い鳥小屋のような小さな待合所で。
熱心に本を読んでいた。確か小説だった。親友に薦められたものだ。彼は哲学とかが好きな人間で、非情に読解力を要する本を薦めるのだ。いつも俺は其の度に挫けてしまう。今も必死で微妙な言い回しに脳を悩ませていた処だ。

ふと、花の香りがした。
なんだろう。百合か?
そう思いながら顔を上げると、
直ぐ右隣に女が座って居た。
白い肌に凛とした瞳、青みがかった綺麗な黒く長い髪。そして真っ白いワンピースを着ていた。とても似合っていた。はっとする程の美人だった。此の世にこんな人間が存在しているのか、はたまた其の存在が同じ人間であることが信じられずに居た。
其の透明度を増した素肌に、ピンク色の頬、少々ぷっくりとした上品な唇。何もかも美しかった。モデルでもやっているのだろうか。
気付けば俺は、無意識の内に話しかけていた。

「お嬢さん、どちら迄お出でですか?」
すると彼女は此方を見て、
少しだけ微笑んで云った。
「ひとに会いに行くのです。とても遠い処です」
静かな声だった。其れさえ美しかった。
「何方に会いに行かれるのですか?」
無礼だと承知で訊いた。
口だけが勝手に動いていた。
「わたくしですわ」
笑わずに云った。声だけは、変わらなかった。
「会えるといいですね」
「ええ。でも会えないかもしれませんの。
 わたしには手が届かない場所ですもの」
「無責任なことを云って申し訳ないのですが
 其れでも信じていればお会いできるでしょう
 僕も又貴女にお会いできると信じています」
「ありがとうございます
 わたくしも信じますわ」

バスがきた。
驚いて瞬きをした。
隣を見れば彼女は居なかった。
辺りを見廻したが何処にも居なかった。

夢か?
そう思ったが直ぐに其れを消した。
百合の香りが、残っていたから。
【2005/07/11 18:55 】 | 掌編 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
赤害線
血などの描写があります
苦手な方はご遠慮ください




・・・・*

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【2005/07/11 08:00 】 | 小説 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
蒼空の湿度
少々暗い文章になってしまいました
何を書いたのか、何を書きたかったのかはわかりませんが、兎に角書かなければ、という思いで書いてしまいました




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【2005/07/11 07:18 】 | 小説 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
祭りの夜
手を繋ぎ歩いた
いつもとは違う
ふたり

熱さが気を狂わせる
それでも
明日の脳は保った儘

かたかた鳴らしながら歩いた
いつもとは違う
ふたり

闇の中で照らされる熱に
気を狂わせられた
そうして
今の脳は保てない儘

わたあめの甘い べたつきに
揺るがすの
こころを
からだを

いつもとは違うふたり
貴方の手を強く握るの
絡ませては熱気に狂って

匂いが立ち込める
お腹が空くより先に
其の世界へ巻き込まれる
呑まれてしまった脳は
貴方の声さえ聞こえない程に

手を握り歩いた
いつもとは違う
ふたり
かたかた いわせながら歩いた
いつもとは違う
ふたり

林檎飴の淡い失望に
心は置いていかれるの

手を繋ぎ歩いた
いつもとは
違うふたり

此の儘溶けていけそうに
此の儘消えていきそうに
明日など無いと
確信できるぐらいに

手を繋ぎ歩いた
いつもとは違う
ふたり

何処までもいけそうに
何処までもゆけそうに
何処までもとろけそうに
何処までもゆけそうに
何処までも歩けそうに

手を繋ぎ歩く
いつもとは違うふたり
【2005/07/08 21:38 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
オーバーオール
敗れた其の
倒れた鼓動に溜息を吐いていた
逆らいは闇を照らす?
瞬いて涙を溢れさせて
彷徨って足を崩してばかりだけれど
いつかは闇を照らすことが出来る?

破れた其の
垂らしたペンキの もたつきに苛立った
抗いは思考を壊す?
煩って歪んでは ざらついて
彷徨って首を切り裂いてばかりだけれど
いつかは鎖を引き千切ることが出来る?

繋がった
貴方との其の触感
繋がった
貴方との其の割り出し
境目で漂う視界だけは失わないで居て

境目で漂う
繋がりだけは失わないで居て
【2005/07/08 21:30 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
浮上思考
力尽きたわたしを
蹴飛ばさないで
そんな汚れた足で
何を求めているの
此の身体は疾うに滅びた

瞬きをやめたわたしを
踏み潰さないで
そんな ささくれ立った足で
何を求めているの
此の心は疾うに滅びた

わたしが生きているのは
あなたの為なんかじゃない
そう
自分の為
自分の所為
わたしが生き延びていくのは
確固たる意思など生み出せず
只 迷路に転がるだけだけど

使命なんて要らない

わたしが生き延びていくのは
生まれたからで
わたしが生きられているのは
生きられるからで

其の痛みに耐えられるのなら
何処までも歩いていこう
其の先に
見えると信じれば
もう少し這っていける

此の痛みに耐えられないのなら
もう少し休もう
不規則に漂う呼吸を整えて
其の身体を潤して
何も失ってない
駄目になんかなってない
だって此の心臓は動いているから

綺麗事なんかじゃない
信じていれば
此の足は潰れても
明日は見えてくる
新しい世界が
視界に満ちていく
必ず見えてくる
そう
信じていれば
【2005/07/08 20:18 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
他力本願
苛立ちを潰してくれ
どうか
俺の手を連れ去ってくれ

瞬きは思考を妨げ
赦しは干上がりを求める

叫びを殺してくれ
どうか
俺の足を捥いでくれ

此の涙さえ
連れ去ってくれ
俺の心臓さえ
胸に手を突っ込んで
俺の所為にしてくれ
全て俺の所為に
お前は何ひとつ悪くないのだと
俺が言っている
こんなにも
ああ

俺の手を引き千切ってくれ
俺の目を取り出してくれ
俺の耳を裂いてくれ
俺の身体を
殺してくれ
どうか
其の手で
其の柔らかくて優しい
毒を含む手で
【2005/07/07 11:52 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
試行錯誤
そんなのもう知っている
言われなくても知っている
只 理解できていないだけ
只 解っていないだけ
此の脳が
どうしても拒否してしまう
それを
責めないで

苦しみは吐き気を装い
残酷な死を予言する
間違いであればいいと
否定する力さえ見えてこない

そんなのもう知っている
わざわざ責めないで
只 脳が理解していないだけ
只 身体が持たないだけ
神経が飛んで甚振って
其れでも
わたしは生きているじゃないの
わたしは存在しているじゃないの
其れだけで
耐える域に達しているというのに
わたしを縛り付ける棘のついた蔦は
歯痒い現状を嘲笑しては
わたしを踏み躙る

そんなのもう知っている
只 脳が出来ていないだけ
只 身体が持たないだけ
やりたいことなんて幾らでもあるのに
やらなくちゃならないことなんて幾らでも…
其れでも
わたしは生きているでしょう?
こんなにも血に塗れながら
こんなにも多くの傷を纏いながら
其れでもわたしは生きているでしょう?
倒れこみながら
起き上がれない儘
呼吸を荒らしながら
其れでもわたしは
生きているでしょう?

其のことをどうか
理解して
【2005/07/07 11:45 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
ありがた迷惑
其の存在自体が
其の吐息自体が
要らないもの
あなたを沈ませる
全てのもの

わたしの存在自体が
わたしの響き自体が
要らないもの
あなたを狂わせる
全てのもの

お荷物に成っていたのね
いつの間にか
わたしは救えると
あなたを助けられると
思っていたのに
そうではなかったのね
お荷物に成っていたのね

わたしの存在自体が
あなたには要らないもの
わたしの考え自体が
あなたには要らないもの

お荷物に成っていたのね
いつの間にか
今 気付いたわ
今 気付いたの
【2005/07/07 11:22 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
王様
貴方は首を擡げ
此方を眺めてる
何も言わず
何も求めず
只 此方を眺めてる

何を考えているの
そんな眼で見ないで
そんな大きな瞳で
何もかも吸い込んでしまいそうな其の眼で


明日の彩を必死で考えているの
出来れば鮮やかであればと祈っているの
でも其の冷めた眼差しが
全てを凍りつかせてしまう

何を考えているの
そんな眼で見ないで
そんな酷い瞳で
そんな狂った瞳で
そんな孤独な瞳で

寂しげに光る
溶けた反射を見つめ返した
貴方は瞬きをして
只 其れだけをして

何を考えているの
そんな眼で
わたしを見ないで
【2005/07/07 11:13 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
瞳に映る世界
其の眼界が
歪んでいくのは何故かしら
甘い匂いに包まれて
わたしは眠る
其の肌に触れて
わたしは眠った振りをする

其の視界が
歪んでいくのは何故かしら
窓の枠は黒く溶けて
窓の外は青く澄んで
此の部屋を導いている
わたしは従った振りをする


水鏡の
ように世界は
不安定に
不確定に
揺らぎ
壊れていく

吐いた棘を
見つめた振りをする
騒いだ乱れに
わたしは悲しむ
振りをする
退廃した流れを
わたしは泣き崩れた振りをする

そうしてつくっていって
わたしをつくっていって
膜を増やしていく
どんどん分厚く
成っていく其れは
わたしの感覚を麻痺させるけど
わたしは平気な振りをする
わたしは普通の振りをする
明るく振舞って
優しく微笑んで
なんでもない振りをする

そうやって自分をつくっては
ある日気付くの

其の絶望に
気付いては其の膜を壊すの
【2005/07/07 11:07 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
白いシーツ
其のひんやりとした感触を
熱い足で楽しむの
ばら撒かれた薬たちと
わたしの赤い血
今は未だ鮮やかで
其のうちに黒ずんでしまう
其れでもいいの
此処はわたしの楽園

薔薇の花びらを
齧っては落とし
其れを増やしていった
何を求めてる訳でもないの
此処はわたしの楽園

傷は其のうちに黒ずんで
汚れてしまう
其れでもいいの
また新しい
傷は作られてしまう
此処はわたしの籠の中

柔らかい其の感触を
頬に当てて楽しむの
綴じた睫が響くけど
其れでもいいの
痛みなど
忘れていくから


天蓋の鼓動は
わたしを冷やす
そして此の部屋は
わたしを壊す
わたしは
此処に居る
そうずっと
誰にも見つからないように
誰にも看取られないように

そうずっと
蛆が湧いて
屍に成るまで
誰にも見つからないように
誰にも悟られないように
生まれてきたわたしを
憎むの


ひんやりとした感触を
溢れた毒が占めていく
其れでもいいの
此処はわたしの楽園
此処はわたしの秘密基地
此処はわたしの籠の中
【2005/07/07 10:58 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
視力検査
瞬きひとつ
気に成るの
其のひとつひとつが
どうしても気に成るの
誰かの行動が
誰かの言動が
誰かの目玉が
見つめている
わたしを
沢山の
眼球たちが

わたしを焦らせる
瞬きひとつ
気に成るの


揺らぐ海の
想いに馳せて
急ぐ波の
呼吸に合わせて

そんなにわたしを
掻きたてないで

わたしを褪せらせる
瞬きひとつ
気に成るの

視界は余りにも逃避を選び過ぎて
全てが幻と化している

巻かれた包帯で
上手く動けない

瞬きひとつ
気に成るの
誰かの呼吸が
誰かの囁きが
誰かの目玉が
気に成ってしまう
わたしを追い詰めてしまう

そんなに焦らせないで
視界は徐々に
狭まって闇を選んでしまう

そんなに褪せらせないで
視力はあなたに
任せたばかりよ
【2005/07/07 10:47 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
落とし物
お月さまの向こうで
微笑んでる
君が盗んだ過去は
ほんとうの光?

赦しは依存を選び
再び自分の首を締め付ける
そう
痕が残るぐらいに

何を求めてた?
何を失った?
眩暈に歪んだ視界が脳が
滅んだ世界に瞬きを覚えさせる

お月さまが
微笑んでる
星たちは弱弱しく輝き
そう
何も悪いことなんてないわ
君が盗んだのは
ほんとうの想い?

自分を責める前に
自分を殺す前に
そう
自分を赦して

そう
そんなことしても
何の意味もないと
逃げているだけなのだと
言い聞かせて
自分を追い込む前に

お月さまの向こうが
微笑んでる
闇に浮かぶ其れを
眼を細め眺めた
二次的に放った光さえ
わたしには眩し過ぎる

自分を責める前に
自分を追い込む前に

一体何を失った?
一体何を見てきた?

独りなのは
どうしようもなく溢れてくる衝動
其れをどうか
責めないで

一体何を失った?
わたしには見えない
一体何を失った?
わたしにも見えない
【2005/07/07 05:32 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
風呂あがり
貴方と溶け合っていられる
其の髪を、身体を
洗ってあげられる
こんなにも
疲労して
こんなにも
求めていて
それでも
愛しくて

緩んだ貴方が好き
雫が垂れる
夕焼けの空
貴方なら何度でも抱いてあげたい
何度でも抱き締めたい

せがむわたしに
貴方は愛をくれて
震えるわたしに
貴方は体温をくれて

濡れた髪を乱暴に拭くの
染み込ませた水分の
其のひとつひとつさえ愛しいわ
温かい命に触れるの
熱い命に触れるの
其の瞬きを
忘れないように
軀中に響かせるの
【2005/07/07 05:31 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
乾いた絵の具
わたしはわたしであるということを確かめる為に
存在している
そう信じていた
そう信じようとしていた

わたしは
わたしが望むように生きていればいいのだと
自分を責める自分さえ
受け入れられるようになれればいいのだと
理想は
現実と距離を置き過ぎて絶望を引き起こす

どうして
其の腕は壊れたの
どうして
其の足を折ったの
瞬く間に消えていく命に
わたしは何も出来ずに
其れでも死を望むの
瞬く間に消えていく幼い命に
其れでも死を望んでしまうの

まみれた紅
滴る指輪
溢れ逝く魂
此処に居られること
此処に生きてること
忘れないで

乾いた欠片
黒ずんだ軌跡
気にしないで
気に成らないで
わたしはわたし
今は立ち竦み
其の痛みに蹲っているけれど
いつかは歩いていけると
信じながら
【2005/07/07 05:30 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
なんと
自傷ノヲトのサイトが出来てしまいました
未だ内容は薄々ですが
よろしければご覧になってください
今後は其方での更新が主になると思います

自傷ノヲト
【2005/07/06 17:42 】 | ごあいさつ | コメント(1) | トラックバック(0) | page top↑
髑髏の死に顔
憎しみは天にまで昇り
余りにも酷い其の有様に
わたしは回避した

妄想の奥で犇いている日日に
加速するわたしの
行動に
言動に
わたしはついていけない

潤ってなど居ない
逆らってばかりいる
いつの間に生えた棘は
辺りを傷つかせようと
こんなにも求めて

憎しみは天にまで昇り
行方不明に成る程に
わたしを巻き込んだ
悲しみは雲を渡り
やがてわたしに襲い掛かってくる
孤独と共に

呑み込めてなど居ない
抗ってばかりいる
いつの間に与えた毒は
辺りを疲れさせていた

それで満足なのか?
それでいいと
救われるとでも
おもっているのか?

壊れた欠片を
集める気力など無く
騒いだ痕の
苦しみに喘いでいた

日日増える胸の傷を
見逃したり出来ない

わたしは
立っていられるのに
頭を打つ
わたしは
四つん這いに成れるのに
腕を斬る

何故失おうとするの?
こわがっては怯えているのに
何故手放そうとするの?
叫んでは窒息しているのに

日日増える胸の痕を
見逃したりなんか出来ない

憎しみは天にも昇り
明日の空を征服しようとしている
目に見えたりしないのに
此の心は気付いてしまう
予感は忽ち恐怖に変わっていく

日日増える胸の自虐を
見逃したりなんか出来ない
日日増える狂気への立ち眩みを
見逃したりなんか出来ない

憎しみは天にまで昇り
明日の空を包み込もうとしている
何を失おうとするの?
何を取り戻そうとするの?
わたしは一体
何を望んでいるの??
【2005/07/05 20:30 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
盲目を越えた盲目
何もかも殺してしまえ
悲しみも孤独も必要の無い甘えも自分も
そう
あなたさえも

瞬きを超える優しさは見当たらず
わたしは自ら薔薇の芽を盗む
擦り傷など大した痛みでもない
壊れた過去を
取り戻す余裕など無い

何もかも潰してしまえ
苦しみも寂しさも自分を呪う心さえも
そう
明日はやってきてしまう
こんなにも残酷に
きっと確実に
それが続き
やがて終わる
そう
何もかも救えない
何もかも放った儘だ
何もかも
そう
何もかも

何もかも殺してしまえ
自らを称えることなど
引き摺って拒んで
信じ込むことなど
出来ないで

何もかも救えない
何もかも救われない
そう
何もかも
明日はやってきてしまう
こんなにも残酷な予感を滲ませて

そう
何もかも
何もかも
【2005/07/05 20:12 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
葬る前に
破壊した意識は
戻ることも無い儘
明日を見ることも無い儘
散りばめられた花びらに埋もれて
永遠の眠りを手にした

わたしは其れを眺めながら
独りに成って
泣いてみるの
空いた隙間を
埋めるものなど何も無いのよ
自分の中で日日行われる
残虐さに目を伏せても
何の意味も無いのよ

そう
此の手は
罅割れた泥の中で息をしている

曲がり角を望めば
足元を掬われてしまう
無理矢理に奪った体温は
何を意味するというのだろう
心が溶け合わなければ
只 虚しいだけ

そう
此の足は
罅割れた泥の中で息をしている
生きていられる

そう
此の毒は
守られた泥の中で息をしている
わたしは其れに
気付き始めている
だけど

此の指は
盲目の世界の中で息をしている
生きていかれる
生きていられる
【2005/07/05 02:47 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
縺れた這い上がり
目映さに嘆いた
あの頃の醜さを
今 此処で開放しよう

わたしは未だ上手く歩けないけれど
其れでも
此の心は未だ壊れていないから

苦しみに喘いだ
あの頃の喚きを
今 此処で葬ろう

わたしは未だ上手く生きられないけれど
其れでも
此の細胞は生きる為に生死を繰り返しているから

わたしは未だ上手く見渡せないけれど
其れでも
此の掌には命が息衝いて居るから
迷いは選択のレベルを上げてくれるから

憂鬱に潰れた
あの頃の退廃を
今 此処に手放そう

わたしだって出来るから
あなたにも出来るから
きっと
眼に見えるから
冷静さを取り戻せるから
青空を
好きに成れるから
わたしにも出来るから
【2005/07/04 23:27 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
幼き甘え
熱さが
騒ぐ脳を刺激する

死んだ手足の
結んだ引き金を
降ろした感情の音沙汰を

もう見えず
踠くだけの愚かなわたしを

涙は滴り落ち
何の理由も無く声を溢れさせる

刺殺を選ぶ其の指先を奪って

星は瞬き出し
わたしの存在さえ消してしまう

自殺を選ぶ
其の指先を奪って
必死で
壊して
其れでも

猛毒に干上がった身体は
朽ち果てた胸に願いを放つ

叶うのならそんな処には置かないと
叶うのならそんな格好には成らないのだと

探し出して見つけて
揺り動く肌は
もう血に塗れて

刺殺を望む
此の要求を奪って
自殺を望む
此の要求を奪って
必死で
其れでも
又 脳は
朦朧と意識を盲目化し
足取りは縺れ
此処が何処かも
解らなくさせる

刺殺を望む
其の要求を抑えて
自殺を望む
其の要求を抑えて

揺り篭は嗚呼
こんなにも穏やかに動いていたのに
【2005/07/04 23:15 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
五月病
此の気持ちが、ずっと続いていくような気がしていた。其れこそ永遠に。
乾涸びるのはどうしてだろう。こんなにも混乱を招くのは。そして憂鬱を浴びる自分自身に、呑み込んだ其の液体に、激しい嫌悪と責め続け暴言を吐く脳の狂気さが、空気中に、シーツの上に、滲み出していた。

身体中が だるい。
其れは心にも通じることで、日日を送るのが、耐え続けるのが余りにも辛く、廃人と成った皮膚からは自傷の痕が無造作に増えていくのだった。
何故こんなにも悩むことがあるというのか。ひとは日日、生き続け、苦悩や絶望を感じながらも尚生き続け、日常を遣ってみせている。それなのに、何故?

溶け出した甘えさえ鬱陶しく、ぶつけた相手には疲労を与えてしまう。
此処に存在すること自体が難しく、息苦しく、只耐えるだけの日日に何の意味があろうかと、全てを悲観する心が此の眼に映されている。
憂鬱の宇宙が見える。増幅し、膨張し続ける其れは、目映かった灯りさえ枯らしてしまった。
永遠に続くかのように、此の身体は、何も云わず何も訴えず、只 『死』のみを求めていた。其れだけが救われると信じて、其れだけが楽に成れるのだと信じ込んで。
逃げているだけだった。其の逃げ場は妄想の区域だった。『死』のみが、救われるのだと、報われるのだと、楽に成れるのだと、子供のように大声で泣き喚いていた。
助けを求めて。救いを求めて。自分しか居ないことを知って、だから自分の中に其れを求めて。
心が壊れる前に、自分を壊そうと、していた。
【2005/07/04 23:00 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
サブタイトル
俺は今日も考えていた。昨日の夜から ずっと苛立っていた。届きそうなのに、届かない。解りそうなのに、見えてこない。そんな状態が続いているからだ。
締め切りが近い。あと二時間だ。
けれど此の脳は、指先は、あと少しの努力さえ絞れない。朦朧とした中で生まれる、偶然の奇跡を待っていた。
ドアのノックがした。
「なんだよ」と気だるそうに云う俺に、徐に其の扉を開けたのは妹だった。大好きな黒猫のピルケを抱いて、長い髪で、俺を見た。其の眼は、何の迷いも無く、全てを吸い込んでしまいそうに思えた。
「気分転換に、アイスティー淹れた。呑むかい?」其の幻のようで現実味溢れる立ち姿で彼女は云った。頷くと、黒猫を部屋に放して廊下に置いていた其れを運んできた。二人分、あった。
俺は猫を撫で、柔らかいのや、余りにも華奢で簡単にも壊れてしまいそうな硬い骨を感じていた。
辺りは生温く、妹は窓を少し開けた。
「新しいCD、買ってきたの。聴く?」
彼女は笑うでもなく云って、俺は又頷いた。
音を鳴らそうとする後姿を、アイスティーをごくごく飲みながら眺めていた。嗚呼、こんなにも喉が渇いていたのか、今更に知る。妹の淹れる紅茶は俺が行ったどの店のものよりも美味いとおもう。少々特別なときに、妹は其れを淹れた。其れは誕生日とかクリスマスとか大きなイベントではなく、小さな、日常の波の荒れたときや落ち着かないとき、そして迷い込んで盲目に成ってしまったときなど、酸素を求めるかのように淹れた。勿論 嬉々として淹れる日もあるが、其れは極 稀だった。日日など、そんなものだ。

静かに、其れは始まっていた。
揺れるように、穏やかに、そして徐々に心へと押し寄せた。
騒ぐ胸を、宥めるかのような曲だった。
「どうよ」
にやりとした其の顔は、何の屈託も無い、純粋なものにしか生み出せないものだった。
「いいとおもう」
只 其れだけしか云えなかった。
露のついたグラスはもう、空になっていた。
空白が在る。
余白が在る。
溢れゆく音楽の微かなノイズと、本棚と散らかった部屋と妹と猫と俺との、間に。
無を感じていた。
彼女は何も喋らず雑然とした本棚のタイトルを眺めながら左の足先で右足のふくらはぎを掻いていた。
猫は鳴きもせず、椅子に座った俺の足に、身体を滑らかに何度も擦り付けた。
流れが、生まれていた。
此の空間に、此の部屋に。
俺は ふと、異世界に迷い込んだような錯覚に陥り、現実を放った。そして暫くしてペンを走らせた。満ち溢れた言葉は光を放ち、素晴らしく音響を残しながら紙に滲んだ。
「おかわり」
と、俺は言った。
妹は此方を向き、微笑んで頷いた。
【2005/07/04 22:13 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
消えない確信
幾ら押し付けても
幾ら抱き締めても
圧迫し
攻める孤独を隠せない

此処に居ること
わたしが生きていること
あなたと通じているかどうか
其の全てを知りたい
其の全てを解りたい
でも此の胸は
切迫し
責める孤独を隠せない

身体中が、心の中全てが
独りなのだと叫んでる
我が儘なわたしに
呆れて
でも茫然として

身体中が、わたしの全てが
独りなのだと喚いてる
其の確信を
隠せない

幾ら求めても
幾ら求められても
幾ら大丈夫だと云われても
幾ら独りじゃないからと云われても
此の胸は
此の身体はわたしは
孤独を
どうしても隠せない
隠し切れない
見逃していられない
常駐する孤独感を

回り道して辿り着くこと無く
果ててしまうように
今日を終わらせるのが必死で
明日を待つのが必死で
何度も狂気を殺して
何度も寂しさを窒息させて
其れでも
此の心は
身体はわたしは
孤独を隠し切れない

何度泣いても
あなたが此処に留まれないのと同じように
何度叫んでも
わたしが此処から動けないのと同じように

此の心は
身体はわたしは
孤独をどうしても
隠し切れない
【2005/07/04 21:57 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
停車駅
無意識に埋め込んだ背景に遣られてた。松葉杖をつかない僕は、何も無くても生きていられる。
君を待ついつもの場所で、今日も君を待つ。
歪んだ笑顔の、其れでも愛おしい、君の姿を。
自販機の前で、煙草を買った。
ほんとうは嫌いなくせに、僕が吸うのを見るんだ。煙にまかれて、其れでも煙草の先を、赤く燃えるのを、灰に成っていくのを飽きずに見ているんだ。其れを払い落とす姿さえ、見逃さないで、ずっと見つめているんだ。
狭い空間で、閉じ込められていても二人なら しあわせに変わる。
電車のアナウンスが鳴っている。そろそろ来る。僕の処へ、僕の中へ。君が。
このいつもの停車駅で。
【2005/07/04 15:21 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
サンプル
ねえ、其の手を貰ってもいいかしら?
其の身体を、貴方の全てを。

床に寝転がり、熱を逃がしていた。貴方は今日も居なくて、会えなくて、わたしは独りで天井を眺めるだけで。
其の声が、何より聴きたいのに。わたしを安定させる、只ひとつの方法なのに。貴方は此方さえ向いてくれない。

今日もわたしは独り、寝転がっては窓の外を眺めるだけで。貴方は今も居なくて、明日も会えなくて。通じ合えなくて、ひとつになんか成れなくて。どうしてわたしを好きに成ってはくれないの?此の想いが溢れるように、其の答えも見えはしない。

ねえ、其の腕を貰ってもいいかしら?
其の身体を、貴方の全てを、わたしのものにしてもいいかしら?大事にするわ。たいせつに舐めてあげるわ。だからわたしのものに、わたしの標本に、成ってはくれないかしら?
【2005/07/03 18:43 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
ハーモニカ
河の流れを、草の匂いを、風の温さを、一人感じていた。夕暮れも近いというのに、此の声は吐き出すことを求めていた。
空は、呑み込みさえ拒んで、僕の感情の全てを圧迫した。

其の看板が眼に入ったのは きっと偶然では無いだろう。そう、きっと、妙な言葉で言えば運命のような、そんな、必然的な何かが僕と其れとを惹きつけたのだ。
近づけばレンガ調の店が在り、もう何年も掃除などしていないのだろうと思わせる程、壁や窓は汚れていた。其れでも乾涸びた心の儘、僕は其のドアを開けた。
ちりん、と 客が入ったことを示す鈴が鳴り、ふっと、古く、懐かしい匂いに包まれた。
振り子時計や人形や指輪、玩具などが処狭しと乱雑に置かれていた。レトロな空気を見ていると、奥に老人が居るのに気付いた。
白い無精髭を生やし、日に焼けた其の男は、しゃがれ声で優しく、「どうぞご自由に見てやってくださいな」と微笑んだ。
僕は少し恐縮して、少し照れた。なんとなく、何か買わなければならないような気がして、何か適当なものが無いかと探した。
そして、僕は見つけたのだ。
隠れるようにひっそりと置かれた、虹色の其れを。
其の姿は目映く輝いて見えた。僕は其れを手に取り、「此れください」とだけ言った。
老人は微笑んで受け入れた。

店を出ると、赤と紫のグラデーションに浮かぶ雲が泳いでいた。未だ風は温く、しかし乾いていた。
僕は茶色い紙袋に入った其れを早速取り出した。
そう、僕は求めていた。
こんなにも音を。発散を。
吹いた其の響きは、幼い時を思い出させた。
そう、僕は求めていたんだ。
こんなにも純粋な気持ちを。
虹色の、ハーモニカで。
【2005/07/03 17:50 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
侮言
何の為の繋がりだ
墓場へ逝きたいのか
逝かせたいのか
お前の其の、潤った徘徊に
此の怒号は更なる高まりを求める

何の為の繋がりだ
墓場へ逝かせたいのか?
直ぐ傍迄来ている死神の
其の気配を必死で消そうとしている此の
怒りを止めたいのなら

何の為の繋がりだ?
通じなければ
何の意味も無い
【2005/07/03 17:13 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
油性マジック
くすくすと笑っていた。
貴方の寝顔を見ながら、わたしは寄り添って全てを預けた。
此の頃忙しそうに時間に拘束されていた貴方を、わたしは癒すことも出来ずに負担ばかり増やしていた。謝るわたしに、貴方は困って、自分の所為にするのは楽なのだと、自分が悪いと責めるのは逃げなのだと、そう云った。其の唇に、何度も触れて、愛して、其れでも別れ際が苦しくて、永遠の別れのような気がして離したくないの。

悪戯が好きなわたしを赦して。
貴方の身体に描いた、わたしの痕跡を赦して。
【2005/07/03 14:38 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
止めないで

誰か此の血を止めて
わたしを引き止めて

もう此れ以上
奪わないでと
此の胸が騒いでる

どうか明日があるのなら
どうかあなたが居るのなら
わたしを引き止めて
わたしを愛し続けて
孤独の汁を
呑むの

もう此れ以上
奪わないでと
此の胸が騒いでる
もう此れ以上
止めるのをやめてと
もっと引き裂いて
肉体を傷つけろと

誰かわたしを引き止めて
止まらないわたしを
加速していくわたしを
どうかわたしを
引き止めて
【2005/07/03 13:55 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
赤い金魚
そっと、生きていた。
生き延びていた。
干上がる程の、暑い空。涼やかな緑の音。
窓枠の、強い影。
貴女は此処でいつも林檎ジュースを飲んでいた。
散らかった、わたしの部屋で。
丸く白いテーブルの上にはお菓子が散乱していた。
其れを口へ運んでは、ジュースで流し込むのだった。
わたしは其れを見ながら、床に座ってソファに頭を預けた。
苛立ちはエスカレートしていく。
其れを発散する方法を模索している。
彼女は髪を切り、腕を斬り、物に当たり、そうして壊した。
自分自身を、たいせつな何かを。
繋がりを失ったのだと、泣きながら言った。
わたしが居るからと、何度言っても別れは来る。
わたしでは救えない。きっと、独りで居る夜、あのこは泣いているのだろう。自分の中から生まれる狂気に怯えながら。
わたしでは守れない。どうか、貴女の傷が癒えますように。いつでも抱き締めてあげるから。だから、逝かないでいて。どうか、其れさえ見えなくなった貴女に。
無心で食い漁る貴女に。
そう願うの。
そう願っているの。
【2005/07/03 08:15 】 | お題:向日葵 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
蒼い静寂
眼鏡を掛けた貴方が好きだ。
強過ぎる視線が柔らかくなる。
青空の光る、暑い日だった。
ビルたちは廃人のように聳え、逃げ場を圧迫した。
こんな街では呼吸も困難に成るよ、とそのひとは云った。
ねえ、わたしを今でも覚えてる?
アルバムを開くように、わたしは記憶の紐を解いた。

青い場所に、貴方は居た。
初めて見る種類の人間で、わたしは戸惑っていた。
其の透き通った眼差しに、強烈な存在。確固とした何かを持っている証拠のように思えた。柔らかく笑う笑顔が好きで。あの、全てを丸くさせるような、全てを赦して貰えるような、そんな笑顔が好きで。
いつまでも見ていたかった。
甘い言葉を、甘い冗談を、平気で言えるくせに、本当は恥ずかしがり屋で照れるひと。脆くて恐がりで、其れを不思議に隠すように、貴方の眼は、いつも強く見つめた。其の姿は余りにも魅力的で、何故か惹かれてしまう。其の、全てを知りたくなる。
貴方の全てを、包みたくなる。


いつもチラシの溜まり場だったメールボックスに、わたし宛の封筒が珍しく入っていた。少し躊躇って、でも嬉しくて、裏を見れば差出人は貴方だった。
無意識に、直ぐさま破って開けた。其の手は震えた。全身に鳥肌が立ち、過去の記憶が雪崩のように押し寄せては流れた。
もう三年に成る。
貴方が、此処を旅立ってから。
立ち去ってから。
便箋は すてきなセピア色をしていた。貴方の色だ。
其の個性的な古めかしい強い文字も、懐かしく、自然に溢れそうになる涙を必死で止めた。
そして、崩れ去るように蹲った。
マンションの廊下で。メールボックスの前で。幸いに ひとは居なく、わたしは思い切り泣くことが出来た。
貴方が、未だ存在していること、不安定に動くリズムから開放されたこと、旅先での興味深い出来事などが綴られていた。其れを、知ることが出来た。
会いたかったの。ずっとずっと、押し殺して我慢していたの。
いつの間にか こんなにも心を占めて、狂気さえ暴れだす程に貴方を思い出しては震えていた。永遠に、其の姿を、眼差しを、見ることなど出来無いとおもっていた。
此の目の前に在る、滅ぼされた封筒を、便箋に書いてあった電話番号を、未だ其の存在を信じられず、わたしは脳を溶かしながらバッグの中から携帯を取り出した。
貴方の声を、こんなにも求めていた。
貴方の視線を、思考を、創り出す全てを。
痙攣のように番号を押す手は震えた。強張った喉が、わたしを焦らせた。呼び出しのベルが数回鳴った後、其の声は在った。確かに、ほんとうに、確信した。わたしは暫く黙り込んでしまう程に心拍を破裂させた。
「…もしもし」
そう返した言葉は震えて、頭の中が真っ白に成って、どうしていいかわからなくて、自分の名前を伝える前に、貴方の名前を呼んだ。貴方はわたしの名前を呼んだ。
繋がった。繋がれた。貴方との交信を、再び通ずることが出来た。
いつ会える?
そう、言った筈だ。
来月には そっちへ行ける。
そう、言われた筈だ。
ほんとうに、そうだった筈だ。
ほんとうに、ほんとうに。

でも今の貴方は目を閉じて冷え切っていた。
きっと大量だったであろう血を拭かれた身体は、余りにも美しく思えた。
ねえ、わたしを覚えてる?
会える日を待っていたわたしを。
泣きじゃくって嬉しくて、何を言っているか解らなくなったわたしを。
ねえ、思い出してよ。
今直ぐ、声に出してわたしを呼んで。
貴方の気持ちなんかどうでもいいから兎に角 抱き締めて。強く強く、あの手で。熱い身体で。
花を添える余裕など、生まれる筈も無いのに、貴方は黙った儘で。動かない儘で。
窓の外から見える青い空は、余りにも残酷に雲を急かしていた。
【2005/07/03 07:44 】 | 掌編 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
沈む雀
小さな鼓動が逃げを求めて蠢いていた
其れを知っているわたしは
態と色を残すの
鎖で引き止めるの

血が溢れ出るのを眺めていた
こんな ぐらついたソファの上で何が出来る?
仕方の無いアスファルトの
ひび割れた箇所からの脱走のように

小さな叫びが吐き気を残して俯いていた
眩いのは わたしが赦せないから
日日を腐らせるのは わたしが憎いから

血が溢れ出るのを見ていた
狂おしい程の絶望に絡まれた足は
投げ出して もう 窓の外
狂おしい程の願望に挟まれた腕は
投げ出して もう 窓の外
【2005/07/03 01:49 】 | 言葉 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑